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ー マリンバの新作に思うこと
 
吉岡孝悦

今回のリサイタルは『全曲世界初演』、6曲中5曲が委嘱作品です。
今回委嘱した作曲家諸氏には、以下の2点について配慮して頂きました。

 4オクターヴと1/3(A〜C)以内の音域で演奏出来る作品

マリンバの音域は、1970年代半ばまで4オクターヴと1/3(A〜C)で定着しておりました。それ以後、 近年に至っては4オクターヴ半、更に5オクターヴ半の巨大なマリンバが普及し始め、同時に新しく作曲される作品もどんどん音域が拡大してまいりました。音域が拡がれば表現力も拡がり、より良い方向へ改良されると言えます。しかし、一方ではこのような巨大マリンバを個人で持っている演奏家は依然数が少なく、「楽器の調達が不可能なため、5オクターヴ用に書かれた作品は演奏できない」と言っている演奏家の声をよく耳にします。低音が1オクターヴ増えることで楽器の値段は2倍になり、運搬労力は2倍以上になります。

 マレットの本数を必要最小限に押さえた作品。

マレットを5本や6本も持って演奏する姿は、単に技術を強調した視覚的面白さのみに終わらせてしまうこともあり、音楽的表現から次第にかけ離れてゆく危険を感じておりました。マレットをたくさん持っても演奏することが技術的に高度であるとは限りません。2本だけでも高度な技術と音楽的解釈を要する作品を生み出す余地は、まだまだ残されています。

こうしたコンセプトのもと、今回のリサイタルを企画いたしました。

今回のリサイタルで初演された作品が、今後私以外のマリンバ奏者によって、世界中で演奏されることを願っています。

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